なぜ行動観察が有効なのか?
このように、人によって売上などの業績や顧客満足度に大きく差が出るのはなぜでしょう? それは、一連の営業・接客対応におけるどこかの行動に違いがあるからです。
実は、優秀な営業パーソンや販売接客スタッフは仮に基本セールストークや接客マニュアルが用意されている場合でも、よりプラスになる行動をたくさんとっているのです。
それは例えば、商談時の一歩踏み込んだ深いヒアリングや、ご来店のお客様へのちょっとした気遣いの声かけなどであり、様々な場面でとられています。
一方、営業や接客が不得手な人はプラスの行動が少なかったり、逆にマイナスになる行動をとっていたりします。
では、なぜ、その優秀者の方のプラスの行動は、会社全体で共有されないのでしょうか?優秀者の方は、それを他の皆さんに教えてあげればいいのでは?
残念ながら、それはやりたくてもできないものなのです。それは…
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- 人と比較したことがないので、自分の行動が人と違うことを認識していない
- 自分にとっては当たり前の行動なので、特に意識していない
- 自分以外も、皆同じようにやっていると思ってしまっている
- 本人が無意識でとっている行動である
このようにせっかくの多くのノウハウが開示されていない状態では、営業や接客が不得手なスタッフはより良い行動(やり方)がわからないまま、半ば手探りに営業や接客に臨むしかありません。そのため、なかなかスキルが上がらずに業績も低迷することになります。また、一定レベルの成果を出している場合でも、他の人の様々な良い行動を知り取り入れて、一層のスキルアップを図るチャンスを失っていると言えます。会社全体として、宝の持ち腐れ状態になってしまっているのです。
この隠れたノウハウを引き出し、全員が共有できるようにするには行動観察が有効です。個々の持つ、言葉にされていないノウハウを引き出す手法です。