ある百貨店の催事で
秋冬物の靴の大バーゲンをやっていたので立ち寄ってきました。

 初日ということもあり会場はすごい人です。

 靴は、服など違いサイズのありなしを確認する人が多いため、
販売員さんは売り場と倉庫を行ったり来たりして大忙しです。

 私も気に入った靴があったので
合うサイズを出してもらおうと販売員さんを探したところ、
その売り場の担当らしき販売員さんの周りには順番待ちの人が
既に3~4名いらっしゃいました。

 ただ、レジではないので列を作って待っているわけではありません。

 このようなシチュエーションでは、
販売員さんが1人の対応を終えると同時に、
次の待っている人が(お客様側が)声をかけるのですが、
みな誰が先に待っていたかを把握し、
暗黙の了解で順番を守って声をかけていきます。

 とはいえ、必ずしも順番が正しく守られるわけではなく、
先に待っている人に気づかない人が大きな声で販売員に声をかけ、
割り込んでしまうこともよくあります。

 従って、一帯にはなんとなく張り詰めた緊張感が漂うものなのです(笑)。

 しかし、、、その販売員さんはそんな空気を和らげる、
「あること」をしていました。

 それは、1人の人の商品を探しに倉庫に行くときに、
次の順番の方に「お待ちください」と目を見て声をかけてから行くのです。

 これにより、声をかけられた人は、
「次は自分だと販売員さんはわかってくれている」
と思い安心して待つことができるのです。

 私の時もそうしてくれ、時間にすると結構待ったものの、
安心して他の商品を見ながら待っていたためかあまり気になりませんでした。

 お店などでお客様を長くお待たせすると、
クレームになることがあります。

 しかしそれは単に「待たされた時間」が原因とは限りません。

 実は「待っている間の不安」が大きな要素になっていることもあるのです。

 例えばレストランに行き、満席だったのでソファで待っているとします。

 このとき、5分おきくらいに
「デザートに入られているお客様のお席がもうすぐ空きますので」
「今お会計に入られました」
「今テーブルを片付けています」
などと声かけがありながら20分待たされるのと、
席が空くまで何の言葉もなく15分待たされるのとのでは
どちらが長く感じるでしょうか。

 一言かけることにより、人のストレスは軽減され、
クレームになってもおかしくない状況が
逆に好感を持ってもらえる結果になったりすることもあるのです。

 小さな一言ですが、まさに「魔法の言葉」です。

 お客様に、惜しまず声かけをしたいものです。